自己制御力

人間の行動と影響

ある番組に塩野七生さんという作家がこのような言葉を紹介していたそうです。
道端である人が歩いていて、怒っていたとします。
この場合、怒りの感情を吐露しただけで、別にほかの人には影響はないかもしれません。

しかしもし自分が怒りの感情を表したとしたら、その怒りによって人が数人死ぬかもしれない、というものです。
カエサルの言った言葉と紹介していたようです。

カエサルというと、共和制ローマ時代の軍人であり政治家でもあった人物です。
すなわち人の上に立っていた人物です。

上で紹介した言葉はどのようなことを意味しているかというと、リーダーになる人は、自分のちょっとした行動によってほかの誰かが大きな影響を受ける可能性も大いにあるという意味です。
これは、会社でいわゆる管理職として仕事をしている人は、常に頭の中に入れておきたい言葉といえます。

支配の関係

塩野さんはこの言葉を紹介した時に、以下のような話もしていたといいます。
人を支配した場合、支配された側は二級の人間になってしまうという話です。

つまり誰かを支配しようとすると、支配された人のレベルが下がってしまう恐れがあるわけです。
もしかすると管理職として仕事をしている人の中には、心当たりがあるかもしれません。

管理職で仕事をしている人の中で、自分の部下に対して不満を持っている人はいませんか?
「いわれたことしかできないのでなかなか仕事がはかどらずに困っている」という愚痴はよく管理職の人から漏れますね。

しかしこれは上の言葉をベースにしてみると、部下に問題がないのかもしれません。
皆さんが支配的な態度を常日頃からしていることで、部下が二級の働きしかできなくなっているのではありませんか?

リーダーには自己制御力が必要

コントロールという言葉がありますが、これは自分に対するものと他者に対するものとでは異なる効果を与えます。
自分に対してコントロールを加えることは、いい影響を及ぼします。
ところが他者に対してコントロールをしようとすると、コントロールされた者が縮こまってしまって、質が落ちてしまうことがあるわけです。

リーダーになるためには、自己制御力が要求されると思いましょう。
自己制御力とは、他者を抑圧するのではなく、寛容であることをさします。

つまり部下に対して自由を与えて、自分で考えて行動できるような土壌を作り出してあげることです。
そうすることで、組織としての力が逆に最大限引き出されるのです。

どうしても自分の思い通りに組織を動かそうと思うと、あれこれとくちばしを入れたくなるものです。
しかしここでまさに自己制御力を発揮して、部下に敢えて自由にやらせましょう。
その方がかえってプラスの効果をもたらしてくれるかもしれません。